こんにちは。
大阪の天王寺区上本町にあるパーソナルスタジオHappinessの中芝です。
先日は…
限定ワークショップの前半を開催しました!!

今回のお題は『身体機能の神髄~股関節編~』と題して、股関節をより深く理解するために必要な考え方を紐解いていきました。
【主な内容】
・股関節の役割(推進力・支持性・力の伝達)
・股関節の骨・関節構造
・四足歩行から二足歩行への進化と股関節伸展・内旋
・骨盤形状・重心線・姿勢との関係
・ニューテーション・カウンターニューテーション
・股関節可動域や仙腸関節痛などの評価法
・大腿直筋の3つの起始
・荷重下で機能する股関節という考え方
・腸腰筋の役割
・臼蓋形成不全
・頚体角・前捻角と股関節機能の関係
今回の前半では、どんなエクササイズをして、どの筋肉を鍛えれば股関節にいいのか?といった話ではなく、まずは股関節という関節の構造を本質から理解することをテーマに進めました。
クライアントに適切な運動指導を行うためには、まずその人の身体を評価する事が重要ですが、カラダの構造を知らなければ評価そのものが成り立ちません。
構造を理解することで、股関節がどのような条件下で本来の機能を発揮できるのか?という視点を持てるようになります。という所で、すこしだけ股関節についてみていきましょう。
股関節の構造

上の画像は人の股関節を後方から見たものです。
股関節は寛骨臼に大腿骨頭がはまりこむ球関節であり、人体の中でも自由度の高い関節で、三次元的に大きく動かすことができます。
これは肩関節も同じで、両者は大きな可動域を持っていますが、股関節は体重を支え、床からうけた力を全身へ伝える役割も担うため、肩関節以上にも安定性が求められる関節であります。

次にこちらは股関節を前方から見た画像です。
後方からみた画像と前方からみた画像に違いがあるのはお気づきでしょうか?
そうです。そうなんです!
前方から見た画像は大腿骨頭の前方の軟骨が露出していますね。
つまり骨頭の前方は骨による支えが少ない分、筋肉や靱帯などの軟部組織が股関節の安定性に貢献しています。

この画像を見ると、腸腰筋が股関節の前方を走行している理由や、その重要性もイメージできやすいのではないでしょうか?
少し余談になりますが…この可動性と安定性を両立しながら、力を効率よく伝達することこそが股関節の大切な役割です。
しかし、すべての方が同じ構造をしているわけではありません。
例えば、生まれつき寛骨臼(大腿骨頭を受ける受け皿)が浅い方もいらっしゃいます。このような状態は臼蓋形成不全と呼ばれ、股関節の安定性に影響を及ぼすことがあります。

上の画像は、左側が正常な股関節、右側が臼蓋形成不全の股関節を表したものです。
(少しわかりにくいかもしれません…)
このような状態ですと、骨による支えがさらに少なくなってしまうので、安定性という面では不利になってしまいます。しかし股関節は安定性も求められる関節…さあその安定性は何によって補われているのでしょうか?
そう先ほどチラっとはなした靱帯や腸腰筋などの軟部組織が、その役割を担っています。
ここで1つ考えていただきたいのですが、このような股関節の構造をしている方に対して…
『腸腰筋が硬いからストレッチをしましょう!』
という考え方は、適切でしょうか?
骨による支持が少ない股関節では、腸腰筋はより安定性に貢献しようとします。そのため構造を考慮せずに腸腰筋を過度に伸張することでかえって安定性を損なう可能性もあります。
又、受け皿の深さには個人差があり、臼蓋形成不全と診断されるほどではなくても、やや浅い形態を持つ方も少なくありません。特に女性では、そのような傾向が比較的多いことが知られています。
こうした背景を理解すると、前捻角の評価や、頚体角について考えていくことの重要性も見えてきます。
このように、その人がどのような構造を持ち、どのような特徴があるのかを評価することが重要であり、その評価があって初めて、その人に本当に必要な運動やアプローチを選択できるのだと思います。
しかし、いまでこそ私たちの股関節はこのような形状になっていますが、その背景には、人類が四足歩行から二足歩行へと進化してきた歴史があります。
股関節の歴史
例えば樹上生活を主とする霊長類では、枝を両下肢で把持するための屈曲・外旋運動が主動作となります。

一方で、ヒトは二足で立ち、歩き、走るという生活へ変化したことで、身体を支えながら効率よく移動するために、股関節の役割も大きく変化しました。
特に、直立姿勢では骨盤や体幹を安定させながら、地面から受ける力を全身へ伝える必要があります。その中で、股関節の伸展や内旋といった動きも、動作を行ううえで重要な要素となりました。
つまり、人が人らしく歩き、走り、身体をコントロールするためには、股関節が十分に伸展し、適切に内旋できることも大切な要素の一つです。
しかし、ここで大切なのは、誰もが同じように股関節を動かせば良いというわけではないということです。
前述したように、股関節の形状や骨の向き、受け皿の深さなどには個人差があります。そのため、単純に伸展が出ないから伸ばす。内旋が少ないから動かす。という考え方ではなく、まずはその人の身体がどのような特徴を持っているのかを理解する必要がありまし、股関節の伸展や内旋を出す前にやらなければいけないこともあります。
股関節の能力を引き出すのは、全身の協調

そして、これは股関節に限った話ではありませんが、カラダの動きは1つの関節が独立して生み出しているわけではありません。神経系が様々な感覚情報をもとに運動を制御し、その結果として各関節が協調して機能しています。股関節もその協調の中で役割を担っている関節の1つです。
最終的には股関節だけにアプローチするのではなく、身体全体のつながりを評価し、整えることで、股関節はより自然に、より効率よく機能するようになります。
後半では、この部分を一緒に学んでいき、現場で活かせる実践的な内容まで掘り下げていければいいなと思います!
ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。
後半もどうぞよろしくお願いいたします!
本日はここまでです。最後までお読みいただきありがとうございます。

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【参考文献】
・プロメテウス解剖学アトラス コンパクト版第二版 監修 板井建雄 訳 市村 浩一郎 駒井 直
・運動と医学の出版社の臨床家シリーズ 股関節拘縮の評価と運動療法 監修 林 典雄 浅野 昭裕 執筆 熊谷 匡晃
・カパンジー機能解剖学Ⅱ下肢 原著第6版 A.I.KAPANDJI 著 塩田悦仁 訳
・カパンジー機能解剖学Ⅲ脊椎・体幹・頭部 原著第6版 A.I.KAPANDJI 著 塩田悦仁 訳
・骨から見る生物の進化 EVOLUTION【コンパクト版】 ジョン=バティスト・ド・パナフィユー【著】 パトリック・グリ【写真】 ・運動機能障害症候群のマネジメントー理学療法評価・MSBアプローチ・ADL指導 Shirley A . Sahrmann著 竹井 仁 鈴木 勝 監訳
・アナトミー・トレイン–徒手運動療法のための筋筋膜経線 第2版 Thomas W .Myers 訳 板場栄行 石井慎一郎
・運動療法その前に!運動器の臨床解剖アトラス 監修 北村清一郎 馬場麻人 編集 工藤慎太郎
・筋骨格系のキネシオロジー原著第3版 原著者Donald A .Neumann 監訳者 Paul D .Andrew 有馬 慶美 日髙 正巳
・Hodges PW, Richardson CA (1996)Inefficient muscular stabilization of the lumbar spine associated with low back pain. A motor control evaluation of transversus abdominis
・1. Semciw A, Neate R, Pizzari T. (2016)Running related gluteus medius function in health and injury: A systematic review with meta-analysis
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