ワーキングメモリとスポーツ

こんにちは!

大阪の天王寺区上本町にあるパーソナルスタジオHappinessの中芝です。

日中はまだ暑いですが…朝晩はようやく涼しくなってきたな〜と思う今日この頃です。
体を動かすにも適した季節になってきた!まさにスポーツに秋❕❕
…という事で本日は、スポーツにおける新しい動作や技術の習得にも関わるワーキングメモリについてのお話しをさせて頂きたいと思います。

ワーキングメモリとは…

脳の機能の1つで、情報を一時的に保持して、同時に操作を行って活用するためのシステムを指します。

たとえば…

・電話番号を覚えながら別のことをする。
・会話の内容を理解しながら、同時に返事を考える。
・仕事で複数の作業を行いながら、重要な判断をくだす。

など、日常生活の中で直面する多くの場面でワーキングメモリが働いています。

 

この話になるとしばしば『それって短期記憶のことでしょう?』と聞くことがあるのですが、どうやら違うみたいです。

ワーキングメモリの歴史と仕組み

ワーキングメモリーという概念は心理学や認知科学において比較的新しい物であるようです。

まず20世紀の始めから中旬にかけて心理学者たちは人の記憶についての理解を深めるために、短期記憶と長期記憶と二つのシステムを提唱しました。

短期記憶とは数秒から数分の間に限られた情報を一時的に保持する能力の1つで、こちらは1956年のジョージ・ミラーの『マジカルナンバー7±2の法則』の研究によって、人は一度に7つの情報を記憶できるという概念が注目されました。

しかし、これだけでは人間が複雑なタスクをこなす能力を十分に説明できないことがわかり、ただ情報を記憶するだけでなく、覚えていた情報を使って操作する新しい記憶システムが提案されました。

これが1974年にアラン・バデリーとグラハム・ヒッチによって提唱された『ワーキングメモリモデル』で、ワーキングメモリが単一の機能ではなく、複数のサブシステムから構成されているという考え方が広まりました。

まずワーキングメモリーがどのように機能するかを理解するために4つの主要な要素を説明します。

➀中央実行系 
ワーキングメモリの中核的な部分であり、全体を制御し他のサブシステムを調整する役割を担います。
主に、注意の配分、情報の検索、新しい戦略の選択、他の認知プロセスとの連携を行います。
例えばビジネスの会議中に相手の話を聞きながら、次の質問や発言を考えるような状況では、中央実行系がその調節役を担っています。

➁音韻ループ
音声情報(言葉など)を一時的(短期間)に保持する役割を担います。
主に、内声(心の中で言葉を繰り返すこと)によって情報を保持を行い、言語学習や計算など、言語的な作業に重要です。
例えば誰かが教えてくれた番号を覚えて、それを頭の中で繰り返すことで番号を記憶していられるのは。音韻ループのおかげです。

➂視空間スケッチパッド
視覚や空間的な情報を処理する役割を担います。
主に、メンタルイメージの情報を保持したり、視覚的な作業に必要です。
例えば車を運転する時の道路状況や他の車の位置や人の位置を把握しながら運転する時や、地図を覚えたりできるのはこの機能が働いています。

④エピソードバッファ
これは1990年代にバデリーが新たに付け加えた要素で、ワーキングメモリの中で異なる種類の情報を統合し、一つのエピソードとして記憶する役割を担います。
主に音韻ループや視空間スケッチパッドからの情報を結び付け、それらを長期記憶と関連付ける時に重要です。
例えば特定の出来事思い出す際に、その出来事に関連する視覚情報や、音声情報、感情的な記憶が、エピソードバッファによって統合され、その出来事を思い出すことが出来ます。

これらの働きにより、私たちは普段の日常生活の中でも一時的に保持した情報を操作し、瞬時に複雑な判断を行う事が出来るのですが…

ここの機能が不足していると…

仕事の効率性の低下、会議の流れを追えなくなる、学習効率の低下、マルチタスクが苦手、忘れ物やうっかりミスが多くなる…といった問題が起こる可能性があります。
このような問題はスポーツを行っている選手にも影響します。

ワーキングメモリとスポーツ

まずスポーツをしている時にワーキングメモリが活用されているという事実は、2012年にスウェーデンの研究者達によって立証されているそうです。

彼らはプロのサッカー選手と一般の人を対象に、ワーキングメモリ課題を含む認知テストを行いました。その結果、男女やリーグの所属に関係なく、ヨーロッパのサッカー選手は一般の人よりも高得点を獲得し、一部リーグの選手が最も高い得点を記録しました。絶え間ないトレーニングの結果、優秀な選手はワーキングメモリを発達させていると研究者たちは考えてるようです。

一方でスポーツ動作の習得を行う時はこのワーキングメモリが邪魔をする時があるそうです。例えば、新しいスポーツを始める時や、難しい技術を習得しようとする時、たくさんのことを一度に意識しすぎると、ワーキングメモリがオーバーロード状態になり、スムーズな動作ができなくなってしまいます。

具体的にいうとゴルフで初めてショットを打つ時に、インストラクターから多くの指示を受けて、それを意識しながら打とうとすると、体で感じる感覚よりも、頭の中での指示が優先されてしまい、動作が間に合わず上手く打てない事が出てきたりします。

ワーキングメモリをスポーツで上手く使うためには…

➀基本動作をしっかりマスターする:
基本動作を体に覚え込ませることで、ワーキングメモリの負荷を減らすことができます。

➁一度に多くのことを意識しすぎない:
初心者のうちは、一度に一つのことに集中する。

➂感覚に意識を向ける:
体の感覚に意識を向けることで、より自然な動きができるようになります。

という段階を追っていく必要があります。

スポーツの成果においてワーキングメモリの使い過ぎは、障害を生む可能性もありますが、正しく鍛えて使用する事で、試合中の情報の記憶力の向上から、状況に応じた適切な判断や、既存の枠に捕われないプレーが出来るようになります。

例えば、バスケットボールの試合中、シュートを打とうとした瞬間に、相手選手が予想外の動きをしてきたとします。この時、選手は咄嗟に、今まで練習してきた様々なシュートの動きを頭の中で組み合わせて、その状況に合わせた新しいシュートを打ちます。

このような状況下では、ワーキングメモリが非常に重要な役割を果たしています。
具体的にまとめると…

・過去の経験の呼び起こし
以前練習した様々なシュートフォームや、相手選手の動きに対応した過去の経験を、ワーキングメモリが素早く呼び起こします。

・新しい動きの創造 
呼び起こした過去の経験をもとに、現在の状況に合わせた新しい動きを創造します。これは、まるでパズルを組み立てるように、脳の中で様々な情報を組み合わせる作業です。

・運動指令の伝達
 新しい動きを決定すると、その情報が小脳に送られ、スムーズな動作に変換されます。そして、小脳から運動皮質に指令が送られ、実際に体が動くという流れになります。

つまり、ワーキングメモリは、過去の経験と現在の状況を照らし合わせ、最適な行動を選択するための司令塔のような役割を果たしているのです。

ワーキングメモリの容量は人によって違いがあるそうですが、それでもトレーニングを行えば効果的に活用し、生活やスポーツのパフォーマンス向上に大きく貢献できると思います。

ワーキングメモリのトレーニング

 

こちらはワーキングメモリを意識したトレーニング動画です。ご興味あればご覧ください。

ワーキングメモリとスポーツ

動画はほんのごく一部です。

他にも後出しじゃんけんや、ボディタッチ・逆さ読みなど実に色々なトレーニング方法がありますので興味があれば調べて見てください!!

本日はここまでです最後までお読みいただきありがとうございます。

【参考文献】
脳のワーキングメモリを鍛える!情報を選ぶ・つなぐ・活用する
トレーシー・アロウェイ
ロス・アロウェイ=著
栗木さつき=訳

ワーキングメモリ革命脳を鍛える究極のメソッド
夏目友吾

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